第7章 【第5章】正義のハッカーになろう!!…と思ったのに
「来星ナユが元は人間で、異星人にコントロールされているのだとしたら…別人のように生まれ変わった時期がある筈だ。その変化のデータさえ手に入れられれば…」
『でも全生徒のデータって、 学園のコンピュータ ーで管理されているはずじゃ…?それに、そのデータにアクセスできるのは学園長だけだよ』
学園長に頼むわけにもいかないし…とチユが呟く。
「いや、そうとも限らない」
「「『えっ?』」」
そしてラントは思いもよらぬ案を出す。
「_サーバーをハッキングする!!」
「「ええっ!!?」」
『は、ハッキングって…そんなことしたら!』
そもそもパソコンに関する知識すら皆無なのに、どうやってハッキングするのだ。
チユがラントにそう問いかける。
ラントによると、どうやら"ハッカー研究会"というハッカーの集団があるそうだ。
その研究会にいるハッカーたちにハッキングを依頼するのだという。
確かにそれならパソコンに関わりの無いチユたちでも可能だ。
『(でも、"学園のサーバーをハッキングする"なんて依頼…いくら生徒会長であるラント君の頼みでも、聞いてくれるのかな)』
欧米諸国ならともかく、日本はハッキングやクラッキングに対して手厳しい国である。
ハッカー研究会の生徒たちも同様、手厳しいのではないのだろうか。
ハッカー研究会の活動する部室へ向かう道中、チユが考え込んでいると、校内放送が流れる。
〈ピーンポーンパーンポーン〉
〈2年、龍我チユさん。風紀委員長がお呼びです。至急、風紀タワーまでお越しください〉
〈ピンポンパンポーン〉
『え…』
「「なっ…!!?」」