第5章 【第4章】ついに明かされる先輩の秘密!!
「チユが自分を責めることは何一つない!!全てはあのエイリアンのせいだ!!」
『…だって、私の、目の前で』
ラントの父親が、母親が、妹が、消えていく。
自分には何もできなくて、ただエイリアンを拒絶することしかできなかった。
こんな不気味な手足のことを知っても、あの夫婦は自分と本当の家族のように接してくれていた。
あんなに心優しい2人も。
自分のことを姉のように慕ってくれた彼の妹も。
「…なんであんたが自分のこと責めるか、少し分かる」
ふとチアキが呟く。
「僕も、友達とエイリアンに攫われて実験された。…あんた程じゃないけど、僕も体が変わっていくことが怖かった」
『チアキ君も…?』
チユは驚いた。まさか他にもエイリアンによる被害者がいたなんて、と目を見開く。
「何とか逃げ出して、友達と一緒に逃げようとした。けど、友達はもう…人間とは呼べないくらいになってた」
もしかしたらチユもあんな風になってたかもしれない。チアキはチユが手足が変形しつつも人間の形を持って逃げれたことが奇跡のように思えた。
「僕はなんで助けれなかったんだって、ひたすら自分のこと責めてて…でも、それは違う。そもそもの原因である_」
_あいつら(エイリアン)のせいだ
攫われたのも、自分が酷い実験体にされたのも、友達が変わっていったのも、全ては。
「だから、あんたを責めるのはお門違いだと思うッスよ」
『チアキ君…』
「へえ、チアキもそんなことが言えたんだな」
「別に…同じ境遇だし、何となくわかるっていうか…」
ノーズにからかわれ顔ごと逸らすチアキ。心做(こころな)しか頬が赤く染まっているように見える。
自分のことを励ましてくれたチアキにチユは思わず微笑んだ。