第5章 【第4章】ついに明かされる先輩の秘密!!
手袋を取ると、チユの手を見た全員に戦慄が走る。
彼女の手は人間の手ではなかったのだ。
「…え…」
人間の手とは、本来は肌色で指は5本あることが一般的である。世の中には指が増える、減るなどの障害もあったりするが、チユはそうではない。
チユの指は3本だった。色も形も人間ものとは言えない。朱色に染まる手指は長く、先が鎌のように曲がっており、鳥の足のような、龍の手のような見た目だ。
チユが袖を捲(まく)ると肘の辺りまで朱色に染まっている。
『(やっぱり…気持ち悪い、かな)』
固まってしまった一同に不安になるチユ。しかし袖を戻し隠そうとするチユの腕を咄嗟に掴む手があった。
『え、えと…ジンペイ君…?』
「…か…」
『"か"?』
「かっこいい!!」
ズコーッ!!
ジンペイの感想にズッコケる一同。
「ちょっとジンペイ君!?今すっごいシリアスな流れなんだよ!?」
「だってマタロウ、見てみろよ!チユ先輩の腕、ドラゴンみたいでカッケーじゃん!!」
「確かに!この間のアニメ"恐竜ヒーロー"に出てきた恐竜みたい!」
「コマ君まで!?」
再び目の前でギャアギャアと騒ぎ始める1年生たちにポカンとするチユ。
「こら、女性の腕をそんなふうに掴むんじゃない!」
リュウスケはジンペイの手をチユの腕から剥がすと、代わりに自分が手を取り再び跪(ひざまず)く。
「隠されていた君の手がこんなにも神秘的だったなんて…ますます惹かれてしまうな」
「さりげなく口説いてんじゃねえ!!」