第5章 【第4章】ついに明かされる先輩の秘密!!
「チユ」
『…?』
「…俺は、お前の力になりたい。お前をいじめるやつがいるんならぶっ倒すし、悩みがあるんなら聞いてやる!」
『メラ君…』
悔しげな表情を浮かべ真っ直ぐな言葉を紡(つむ)ぐメラ。それに賛同するように次々声が上がる。
「そうだよ!オレたち、色んな怨霊を倒したり、七不思議だって解明してきたんだぜ!!」
「僕も先輩の力になりたい!」
「僕、皆みたいにヒーローにはなれないけど…でも、僕だって!」
「男相手だと不安もあるでしょう?私だってチユ先輩の役に立つんだから!」
「そこのゴリラと意見が被るのは癪(しゃく)だけど、僕も同じ気持ちだよ」
『…皆…』
心強い友達ばかりか、知り合ったばかりの後輩たちまで頼もしい言葉をかけてくれる。
1人で思い悩んできたチユにとって、これほど頼もしいことはない。
「…まあ、乗り掛かった船だし?僕たちも話くらい聞くよ」
「ソシアルクラブがマフィアに好評なのは、お前のおかげだしな」
「チユ、話してくれないか?今、思い悩むことも…過去のことも」
『…皆、ありがとう。本当に嬉しい』
彼らにここまで言われたら、腹をくくるしかない。覚悟を決め、チユは己の手のひらを覆う手袋に手をかける。
『まず、"赤い影"の話をする前に…これを、見てほしいの』
チユの手は、もう震えていなかった。