転生したけど、モブキャラだから彼の観察日記をつけています!
第2章 どこかへ行きたい
「…なあ、山本さん。パレンケって今、アーカムの調査隊が発掘してなかったか?」
ふと思いついたように、優は山本へそう質した。
「ああ、考古学チームが調査を行なってるはずだが…」
言いかけながら、山本は優の言いたい事がほとんど予想できたかのように眉根を寄せた。
「やっぱりか!ならさー、 アユムの新人研修って事で、その調査隊に少し同行するってのはどうだ?」
「え、ちょ……御神苗くん!?」
「それはいいとしても、誰が アユムに同行するんだ」
アユムの焦りを他所に、話が進んで行く。
「勿論そこはこのオレ、御神苗優の出番だろ!」
「待ってください山本さ…」
山本は アユムの声をあえて無視してパソコンに目を落とすと、表示されたミッションの一つを確認する。
【予定エージェント派遣不能により、至急他エージェント派遣要請】
「ジャンが行くはずだったミッション、まだ交代要員決まってねーよな?」
そう、まさに今優の言った通り、パレンケにはジャンが遺跡調査で派遣される予定となっていた…その一つ前のミッションでひどい怪我を負い、故障者リスト入りするまでは。