Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第8章 壊して
「……ステラ、お前は俺らが何をしようとしているか気付いていたのか…?」
傷付けてしまった左手の傷を申し訳なく思って撫でていると、ステラは花が咲くように笑って言った。
「…内容はわからなかったけれど、3人でなにか企んでるかなあとは思っていた。貴方達になかなか会いに行けなかったけど、たまたま部屋の前を通った時ドアが悲惨なことになっていたから……揉めたのかな、とか思ったり。
それにね、リヴァイ。この傷はファーランやイザベルの辛さ、貴方の感情全てを私が受け取ったしるし。私と共に消えることの無いしるし……貴方が私に全て吐き出してくれたことのしるし。あなたを責めようなんて全く思っていない……」
「……悪い、痛かったろ…次は傷以外でお前が俺のものだとしるしをつけてやる」
愛しい、と思うと同時に記憶が蘇ってきた___壊れたドア___
「ステラ、」
「うん、?」
「お前には恋仲がいたのか?」
さり気なく聞こうとしたのに、浮気で問い詰める妻みたいな女々しい雰囲気で聞いてしまった。
「え、いないよ?!私に出来ると思う…?」
「思うだろう。こんな男だらけの兵舎で、天使みたいなお前のことだ……惚れないやつがいない方がおかしい」
ステラは少し赤くなった。案外、直接褒められるのに弱いのだろう。
「いないよそんなの……リヴァイのことしか頭になかったから、他の男の人をそういう目で見ようとも思わなかった」
俺は一気に愛しさが込み上げてきて、また抱きしめた。
赤面しながらステラも抱きついてきた。