Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第7章 選択
壁外に出てしばらく経った。
初めて見る無限に広がる青空を、巨人とセットで見ることになるなんてな、と自嘲しながら馬を走らせる。
視界が悪い。雨も降り出して来た。
リヴァイは単独で資料の奪取とエルヴィン・スミスの暗殺をすることをファーランとイザベルに話し、目的を果たすために前進した。
しかし途中、全滅した隊を目の当たりにし、嫌な予感がして引き返した。
「クソっ…」
雨で地面がぬかるむ中、ファーランとイザベルの元へと急いだが、嫌な予感は的中した。
2人の泣き別れとなった体が散乱していた。
気づいた時にはもう、周囲の巨人は全て排除していた。怒りが湧き上がってきて止むことがない。全てを破壊してしまいたい。
「生き残ったのはお前だけか」
今1番聞きたくない言葉を、今一番会いたくない奴に言われた。
「お前を、殺す!そのためにここにいる!」
此奴を殺す。選択を誤った己を殺す。
エルヴィン・スミスに向けて刃を向けたその時、俺と此奴の間にステラが入ってきた。
振りかざした刃はステラの手に吸い込まれた。彼女は刃を握ったまま離さなかった。
「っ…!」
ステラを傷つけたくない。急いで刃を取ろうとしたが、ステラは血が流れるのもお構い無しに刃を握り続けた。
ステラは目に涙を貯めながらも、きっと口を結び、震えながら真っ直ぐに俺を見ていた。悲しみや怒りを全て押さえ込んでいる表情だった。