Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第7章 選択
「とりあえず会議してるとこの場所だけ確認しとこーぜ、そこの見張り必要だろ?」
イザベルが久々にまともなことを言った。確かにそうだ、
「…だがお前会議してる場所なんてわかんのか」
「えっそれは今から探すんでしょ兄貴?」
やっぱりいつものイザベルだ。角をひとつ曲がり、しばらく歩いた。きっと5分くらい歩いていただろう。ふとファーランが言葉を発した。
「あっおい、あれステラか…?」
俺はありえないくらい首を回してステラの方を見た。さっきの男はいない。窓から漏れる月明かりに照らされたステラは綺麗だった…さっきの怒りが無くなった訳ではないが、やはりどうしても見入ってしまう。
「ステラはどこに行く気なんだ?」
イザベルが言った。
「キース団長、グレースです」
ステラは俺らがいる所から離れたドアをノックしながら言う。
「あぁステラか、入れ」
扉の奥から低い声がした。
ステラは中に入っていった。
「ステラは…団長、って言いながら入っていったよな?」
ファーランが静かに言った。
「つまりあそこが会議してる場所だ…いやそれより」
「思ってたよりステラが馴染んでるってことか?」
イザベルが言った。
そうだ、そこが問題だ。2年入っただけだからそこまで馴染んでいないと思っていたが…
「俺らがやろうとしてることはステラを傷つけることになるかもしれねぇ」
「兄貴…」「でもリヴァイ!」
「だが任務を遂行しないわけじゃない」
そうだよな!やり方ってもんがあるからな!と言い合うファーランとイザベルを横目に、俺はステラの幸せを望んでいるはずなのに…と自分の弱さを痛感した。