Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第7章 選択
「……怖いなぁ」
小さくステラがそう言うのを聞いた。
「何がだ」
銀髪を手でときながら聞いた。ステラはまるで1人で会話してるかのように、か細い声で言った。
「貴方がいなくなってしまうのが、怖い」
「……っ、」
また期待してしまう。俺が重い程にステラに抱いている感情を、こいつも抱いているんじゃないか、と
「……でも駄目ね。そんなことを望んでは……貴方と私は何でもないんだから」
_____ああそうだ、こいつとは何でもない。ただ、追われていたのを匿った者と匿われた者にすぎない。
俺は黙ったまま、髪をとき続けた。
こいつに抱いている感情はそう簡単には消えないが、こいつはそれを望んでいないかもしれない。
当たり前だ。ただ___何でもないのだから。
だが、ステラの髪をとく手が止まることは無かった。自分の中で、やはり離したくないと思ってしまう。
「……お前にとって…地上の暮らしは良いものか?」
思わず口をついて出てしまった。ステラは静かに言った。
「地上に出ても、楽しいと思えなかった。上官方といる時は楽しいと思えても……1人になるとどうしても貴方のことを考えてしまう。……私は正直、地上でも地下でもどちらでも良いみたい。貴方がいれば」
ああ、愚かなことにまた期待してしまう。俺がいれば何処でも良いだなんて、……と思っていると、ばっともたれていた首を起こして、わたわたとステラが言った。
「何、言ってんだろう………ごめん、忘れて……」
ステラは夜でもわかるほどに、耳まで真っ赤になっていた。