Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第7章 選択
「さて、話は以上だ。部屋に戻れ」
「またね、」
ステラが此処にいるから戻りたくはなかったが、彼女にまたねと言われてしまったから渋々部屋を出た。
ファーラン達は先に部屋に戻ったが、やはり何の話をするのか気になり、部屋の前で聞き耳をたてることにした。
____「何故連れていくのか、と言いたげだな」
「……気付いていたのなら私の話を先に通してくれれば良かったのに。それをしないのは意思が変わらないという事?」
「その通りだ」
「私は2年の間行かせて貰っていないのに、彼等はたった1ヶ月で行かせるなんて……」
「君は彼等が実力不足だからではなく心配だから止めているのだろう?」
「そうよ」
「俺も同じ理由で君を2年行かせなかったんだ」
深いため息と、長い沈黙が続いた。先に口を開いたのはエルヴィン・スミスだった。
「君は彼等のこととなると分かりやすいな。会った時からそうだった」
「……………まさか、2年前から彼等だと気付いていた?」
「ああ」
また、深いため息が聞こえた。
2年前から、という事はやはりステラは俺等の存在を知られまいとここに連れてこられたという事になる。しかしその時点でこいつは俺等に気付いていたにも関わらず、それを条件としてステラを連れてきた……何て野郎だ……
「……先程好きな温度、と言っていたのもそれを結びつけるものとなったが」
「………意地の悪い人」
「ははは……」
「……でも、……彼らに会わせてくれた事は感謝している」
そうか、と返事が聞こえた所で、俺は部屋に戻ろうとした。が、思いがけないステラの言葉に、喉奥が熱くなった気がした。
「その紅茶は…」
「貴方にはぬるいと思うなあ、エルヴィン」
「温度はどう決めてるんだ」
「私の好きな温度よ」