Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第7章 選択
「…!リヴァイ!」
俺達がいると思っていなかったのだろう、ぱあっと顔を輝かせて部屋に入ってきた。
「ステラ、此方が終わってから聞こう……少し此処で待っていてくれ」
「え…ええ、勿論」
エルヴィン・スミスは自身の机の隣にある肘掛椅子を指差して言った。ステラは俺の隣に座ろうとしていた足を止め、はにかみながらその椅子に座った。
本棚から本を取り出し、あたかもそれが普通であるかのように読み始めたステラを見て、2年でここまで仲良くなったのか、と苛立った。
「さて、話の続きだ。我々は___________」
エルヴィン・スミスが長々と話し出したが、俺は聞いていなかった。後でファーランに聞けばいい。今はステラを見る事で忙しい。
頬にかかる銀髪を耳にかけ、長い睫毛を伏せて本を読むステラ。シャツに短パン、立体機動のベルトと警戒心の無い格好は、俺を釘付けにしたいのであれば大成功と言える格好だった。
話し続けるエルヴィン・スミスの声は俺の脳には届かず、窓から入り込む日光とステラ、ステラの本を捲る音だけが届いていた。
「……エルヴィン、紅茶を入れても?」
一区切り話がついたのだろうか、全く話は聞いていないがステラが本から目を離さずに静かにそう言った。
「ああ、頼む」