Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第7章 選択
「急げ。日が落ちる前にお前たちを部屋に送る。夜は会議があるからな」
「……お前の言うことを聞かなきゃいけないなんてな」
俺は小さくそう呟き、ステラとそれ以上会話する間も与えられずに兵舎内へと連れていかれる。
俺達を追ってきた奴と話すステラから目を離さないでいると、エルヴィン・スミスと一緒にいたミケと呼ばれる男が無理矢理俺の背中を押した。
就寝場所を教えられた後、エルヴィン・スミスの部屋へと連れられ、調査兵団の説明やら兵服のサイズを決めたりやらとクソみたいな事に囚われた。
ステラが無事で良かった、本当に。
2年前と美しさや可愛さは何ら変わらず、変わったのは髪と身長が伸びていた事くらいだった。
「……リヴァイ?」
「あ?」
「聞いていたか?」
「………何をだ」
ステラの事を考えている間に、どうやら話は進んでいたようだ。エルヴィン・スミスが俺を見ながら聞いてきた。
「立体機動装置の使用についてだ」
「…咎めねぇと言ったろう」
「ああ、咎めない。だが地下と壁外では大きく違うからな」
「………お前らの下っ端に居る兵よりかは使えるだろう、問題ねぇ」
「ああ……そうかもしれないな……」
こいつは何を考えているか良く分からない。だがやる事はひとつ、隙をついて殺すことだ。
早くこんなもの終わらせてあいつに会いに行きたい、と思っていた時、ドアがノックされる音が響いた。
「エルヴィン」
「ステラ、どうした?」
ステラがドアを開けながらこいつの名を呼んだ。エルヴィン・スミスはというと、まるで慣れていることを見せつけるかのように、資料から目を離さずにステラの名を呼んだ。