Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第7章 選択
「脅されたりはしてねぇな?」
「うん、されてない……心配性は治ってないね、リヴァイ」
「お前も同じだろ」
涙を頬に残しながら笑顔で話すステラに、本当にいるのだと実感し思わず笑みが零れる。
「ステラ!」「ステラー!」
ファーランとイザベルが気付き走ってくる。渋々抱きしめていたこいつを離すと、イザベルが走ってきた勢いのまま思い切り抱きついた。
「良かった…」
ファーランはイザベルに抱きつかれているステラの頭を撫でる。
ずっと、腕の中に閉まっておけばよかったと拗れた考えを持ってしまった。
ふと後ろにあの男がいることに気付いた。
ステラはそいつに笑顔を見せ、拗ねたように言う。
「うそつき…」
金髪の男は表情を変えずにイザベルに抱きつかれたままのステラを見る。
「すまない、話しておくべきだったかもしれないな。だが手は出していない。約束は昔のまま守っている」
ふふ、と笑いながら自分の服で涙を拭うステラを見て、このエルヴィン・スミスと対等に話せるまでになってしまっていたことに少し心がざわついた。
「約束?」
ファーランが隣で小さく声を出す。
少し居心地が悪いような気がした。これから俺達がやろうとしてることは、ステラにとっては喜ばしくないことだ。