Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第6章 安堵
今日は夕刻頃からエルヴィン達が任務に赴く為、私はハンジさんと一緒にいろと命じられた。
ハンジさんは資料に没頭しており、迷惑じゃないか、と言ったら寧ろ連れ出してくれとミケさんは頭を抱えた。
ハンジさんの部屋に着いた時には彼女の忠誠の部下、モブリットが物凄く頑張ってお風呂入ってください、と捲し立てていた。
何とか引っ張り出してお風呂に入れ(モブリットには崇め奉るような目で見られた)、何とか寝かしつけて(モブリットは既に私を拝んでいた)ふらふらと散歩をしていたのだ。
普段は午前中殺到する訓練兵たちの指導をし、午後は上官達と訓練をしていた。夕刻を過ぎると資料整理などしていた私はこんな時間に散歩など出来ていなかったが、偶には良いだろうとお気に入りの場所へ足を運ぶ。
訓練地の中にある背の高い木は、登ると遠くにウォール・シーナが見える場所であった。
地下街など見える筈も無いが、此処で無機質な壁を遠くの方に見つめていると少しだが心が落ち着く……様な気がしていた。
今日はやけに風が気持ちいい。暖かいかもしれない、もう冬であるのに。
太めの枝に腰掛け、結っていた髪を解き風になびかせる。
ふと門の方で気配を感じた。エルヴィン達が帰ってきたのだろう。