Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第5章 忠誠
「どの条件を取っても彼女が幹部に適している事は明白だ。団長には時期に話を通す……反論があるとは思えないが」
「ああ、反論は無い。驚いているだけだ、お前がそこまで認めている事に」
「エルヴィン」
嬉々としていたハンジの声は今は低くなっていた。
真っ直ぐと此方を見据えながら言う。
「勿論私も反論は無い……だが、これ以上あの子に苦しみを与えようものなら私は考えを変える」
真っ直ぐとハンジを見返す。揺るがない瞳が決意は本物だと語っていた。
「ああ、分かっている」
しんと部屋が静まり返る。冷たい風が窓の隙間から吹き込み、雪の降る前に壁外調査を行いたいと考える。
ふと、静かな空間にドアをノックする音が響いた。
「分隊長さん」
鈴の音のような声がそう名を読んだ。入れと声を発すると、先程まで話に出ていた人物がドアの前にいた。
「以前の資料を」
話をしている間に、彼女は訓練を終え仕事も(本来ならば仕事などしなくていいのだが、彼女が手伝うと言って聞かなかった)していたのだ。
資料を受け取ると、ステラは一礼して部屋を出ていこうとした。
「ステラ、幹部になる気は無いか?」
去ろうとする彼女の背中にそう問いかける。驚いて振り向いた彼女は、暫く黙った後に口を開いた。
「私にそんな大役が務まるとは…」
「ステラ、大丈夫だよ。全員君が良いと思っている」
ハンジが明るく言う。