Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第5章 忠誠
俺の思った通り、彼女は直ぐに力を伸ばして行った。
立体機動は何の申し分も無かった。強いて言うなら速すぎる事くらいだろうか。
巨人の模型も現在の最短記録で切り刻んでいた。
「ステラ~、コツはなんだい?」
びゅんびゅんと飛び回るステラを見上げながら楽しそうにそう叫ぶのはハンジ・ゾエ、地下街から彼女を拾い調査兵団で鍛えると話した時、一番に興味を持った人物だ。
初対面の時からステラに思い切り抱きつき、彼女はその反動でふっ飛ばされた、という事件は幹部達は皆知っていた。
「そういやエルヴィン、そもそも何であの子の過去知ってるのさ」
コツは何かと叫ぶハンジの元へ行くと、にやりとしながらそう聞いてくる。
「調査兵を抜けた人物を調査していた時に彼女の父親を見つけた。その娘が追跡中、要注意人物と記されていたから詳しく調べただけさ」
「調べただけ、ねぇ……それじゃあ思いっきり我儘って事?」
「ああ、そうだ」
「随分振り回されたね……可哀想に…」
口角を上げながらハンジが言う。本当に可哀想にと思っているかは定かではない。
「だが俺の我儘だと言った時笑って忠誠を誓ったぞ、ステラは」
「何だって?……へぇ、ならステラも随分な変人って事になるねえ」
「お前ほどじゃないと思うがな、ハンジ」