Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第5章 忠誠
「名は何だ」
「……知っているのでしょう」
「ああ」
なら何故聞いたと思いながらも名乗る。慣れ親しむつもりなどステラには毛頭無かったが、つい口が動く。
「……父はあなたと同じ世代に?」
「いや……1つ前だ。最も、君の父親は途中で抜けている…私とは面識がない」
「……その娘を3人がかりで捕まえに来るなんて趣味が悪いのね」
「はは……言ってくれるじゃないか」
「……先刻私に手を差し伸べてくれた方の名は?まだ礼を言っていない」
「ミケ・ザカリアスだ。もう1人はフラゴン・ターレット」
「そう……」
「……俺の名を聞いてはくれないのか?」
「聞かなくても教えてくれると思っていた」
ステラは少し楽しくなっていた。一人称の変化もきっとこの男の掴めない要因だろうと思いながら見ると、また笑みを浮かべていた。
「エルヴィン・スミスだ……調査兵団分隊長を務めている」
「団長だと勝手に認識していた…違うのね」
「今はまだ…な」
暫く馬車は2人を揺さぶり続けた。少しずつ太陽の光が雲の隙間から入ってきている。
「兵士になるには3年の訓練が必要だが……君はなるべくこちらで匿おう。半年ほど上官と訓練してから途中参加で半年訓練兵に所属すればいい」
今度はステラが驚いてエルヴィンの方を見る。