Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第4章 出会い
「……それでも、私が着いていく理由にはならない」
すると彼は驚いたように目を僅かに見開き、笑顔を見せた。
「ああ、そうだな……。
だが君が着いてくる理由はある。君の父親は元調査兵だ、何故殺されたのかを知りたいと君は少なからず思っているはずだ………最も、我々もそれを求めることに命を賭けている」
ぱっと顔を上げた。力強い瞳が私を見据えている。
「……立体機動の使用を咎めないと言ったが、それを‘教えた人間’……即ち立体機動を入手した人間がいるのであれば咎める必要がある」
「…あれは私が自分で盗んだものよ、そんな事する人間私以外にいない」
言っても無駄だと分かっていた。目の前の人物の瞳は揺るがない。仮定では無い、確信だ。
「取引をしよう」
彼が手を差し出す。私は目を離さなかった。
「君が着いてきてくれるのならば……今は君の思う人に手は出さない」
全く、意地の悪い人だ。選択肢は1つしかない。
目を離さないまま、力強く彼の手を取った。