Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第4章 出会い
「やはり気付いていたか」
深みのある声だった。
振り向かないまま、恐怖を悟られないように言う。
「……誰なの」
「自分で見てみるといい」
ここで振り向いてしまったら逃げる機会を失う事は明白だ。それなのに私の体はゆっくりと振り向いている。
「…………ッ、!」
息を飲んだ。
両親を殺した奴らと同じ格好だ。唯一違うのは、緑のローブがあることくらいだろうか。
思わず後ずさりする。
また、また逃げなくてはならないのか?
兎に角リヴァイ達の元から遠ざけなければ、そう思い走り出そうとするが、足がもつれてローブの裾を踏み、尻もちをついてしまった。
「大丈夫か?」
最初の声とは別の声が響き、私に手を差し出した。
その手を取らずに足を叱咤し急いで立ち上がる。
「そんなに怖がることは無い。誘拐しに来た訳では無いんだ」
「一種の誘拐だがな、「お前は黙れフラゴン」…はいはい」
「…何を言っているの……両親を殺したのはあなた達でしょう、どうして私が素直に話に応じると思っているの?」
「……両親を?」
何をとぼけているのだ、恐怖よりも怒りが湧き上がってきた。
「……君は思い違いをしている」
最初の深い声がフードを外しながら言う。