Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第29章 救出
ぱん、とあの男が撃った銃弾が左肩を掠めた。
ステラがひゅ、と息を飲んだのが分かった。
だが俺は突き進み、ステラの方へ向かって行った。あと数メートルだ、
「帰ってよ!やめて!帰って!私は彼と結婚するの!」
(……ああ、お前はこんな時まで俺の心配をするんだな)
銃弾とステラの制止に構わずに彼女に近づく。恐怖に飲み込まれているステラに叫んだ。
「うるせえ、俺がお前を愛している限り何があろうと俺はお前を離すつもりは無い!」
ステラの目が見開かれ、涙が溢れた。
きっ、と唇を結んだステラは動かない体を叱咤して抵抗した。
が、足を踏み外したステラはそのまま落ちていった。
心臓が凍りついたが、考えるよりも先に体が動いた。
気付いた時にはステラを横抱きにしていた。強く抱きつき震えるステラを強く抱き返し、やっと取り戻せた愛しさで顔をすり寄せる。
だがあの男は銃を撃つのをやめない。
クソ野郎が……ステラに当たってもいいってのか?
抱きかかえたまま銃弾を避け、あの男を蹴り飛ばそうとした。____が、其奴は背後に気付かない。俺を撃ち落とそうと必死だ。
思わず口角が上がった。
「なあ、最後にもう1回言ってやるよ」
ヴァニーユが男の背後から声を発し、顔面に拳を喰らわせる。
「あの人に二度と近づくな」