Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第29章 救出
もう、やめてくれ
何でもするから。頼むから、彼等の命だけは取らないで。
そう願っても銃声は止まない。
銃を見ると、銃声を聞くと、どうしても父様と母様が殺された時の光景を思い出す。
震えが止まらない。どうしてもこの記憶は克服できない。
馬車内で私は後に娼館で働かせ、髪も売ると言われた。
予想はついていた。モレクが、本当に私を愛して結婚しようなんて言っているはずがない。
だがここで素直に従えば、以前のように断らねば父様や母様のようにリヴァイ達は殺されない。
そう、思っていたのに。
リヴァイ達は私のあとを追い、銃声の中を進んで来る。
ああお願い、もうやめて。死んでしまう
ぎり、と歯を噛み締め私を塔の上へと連れ、閉じ込めようとするモレクに必死で抵抗する。
だが筋肉が上手く動かないから手に噛み付くくらいしか出来ない。それも頭を殴られて制される。
銃を下ろしてくれ、銃声を止めてくれと嘆く分モレクは強く私を引き摺る。
引き摺られようが頭を殴られようが何だっていい、リヴァイ達を無事に帰して。
ふと、空から視線を感じた。
リヴァイが、立体機動で上から私の方へ来る。
途端、モレクは銃をリヴァイに向けて発砲し、彼の肩を掠めた。
目の前が真っ暗になり、心臓が止まったかのように思えた。
「やめてモレク!お願い!!やめて!!」
尚も銃を向けるモレクの腕を何とか掴んで懇願するが聞いてくれるはずもない。
リヴァイに向かって叫んだ。