Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第29章 救出
森が開け、屋敷が顔を出した。同時に、屋敷の明かりでステラの乗った馬車を見つけエルヴィンに目配せすると、エルヴィンは手を上げた。瞬間、各々同時に馬車の窓から思い切り侵入した。
俺はステラの乗る馬車の上に降り、後方の窓からステラだけを連れようとしたが、途端騒ぎを聞き付けたのか屋敷から数人黒服が出てきてしまった。
構わずに窓に刃を刺そうとするが、急に馬車が転倒した。下敷きになる寸前に避けたが、騒ぎを聞き付けたあの男が馬車を転倒させ、自分はステラを捕まえたまま外に出ている。
「?!……クソが」
が、男はナイフを持っていない。ただステラを捕まえているだけだ。
ステラを傷つける物が無いのであれば、自分が傷つこうとどうなってもいい。
しかし、ステラの方へ向かうも、ぶつかってきた誰かによってそれが阻止された。
「……おいてめえ、……エレン?」
ぶつかってきたのはエレンだった、……いや、エレン達、だ。馬車は制圧したものの、屋敷内から出てきた30人程の黒服が全員銃をこちらに向け包囲されている。
その黒服越しに、ステラが引き摺られて屋敷の近くの塔へと連れてかれているのが見えた。
黒服を無視し突き抜けようとするも、容赦なく発砲して来る。避けて銃を押さえ、組み敷くもキリがない。エレン達は対巨人よりも対人間の方が大変らしい。ましてやその人間が銃を所持しているとなるとなおさらだ、銃弾の中動けるのは俺やエルヴィンくらいだろう。