Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第28章 誘拐
「てめぇ……あいつが震えてたのが分からねぇのか!快諾した訳ねぇだろ、脅されてるに決まってる……あれが貴族だろうがどんな処分を受けようが俺がどうなろうがどうでもいい!俺はあいつを連れ戻す」
殺気をむき出しにしたまま、エルヴィンに言った。こいつに殺気を仕舞わなかったのは、ファーランとイザベルを失った時以来だ。
「リヴァイ、調査兵団としては貴族に仇を返してはならない」
エルヴィンは相変わらず静かに言った。立体機動装置から刃を引き抜いた。俺にとってあいつがどれ程大切なのかこいつには分からないようだ。
「んな事どうでもいいっつってんだよ……!俺は行く」
刃を出しているにも関わらずエルヴィンは俺の腕を離さない。
「待つんだリヴァイ、「てめえ……本当に削ぐぞ……!」聞け、リヴァイ!
ステラの首がかかっている中1人で乗り込んだとしてどうなる?ステラの首が飛ぶだけだ。
あの大勢の連中をどうするつもりだ?他にもいる筈だ、お前1人でも殺れるだろうが……
ステラの首が繋がるためには追いかけていると気付かれてはいけない、そして他の連中を仕留めなくてはならない。
1人では無理だ。俺達も行くから待てと言っているんだ。無策で飛び込んで彼女の首が飛ぶのを見ていたいか?」
………馬鹿なことをした。俺は静かに刃をしまった。
ステラが俺の前から消えると、こうなってしまう。怒りと殺気に取り込まれて周囲が見えなくなる。