Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第28章 誘拐
「強情だな……んー、それなら………ねえルージュ、彼等にも‘同じ事’していいかい?」
途端、周囲の黒服達は銃を構えた。
ステラは動きを止めて息を荒らげ、青ざめた顔で激しく首を振り懇願した。
「……!…いく、着いて行くから……お願い、銃を下ろして…」
掠れた声でそう言ったステラの首元からナイフを離すことをせずに、其奴は笑った。
「……馬車出てから銃下ろせよ。……じゃあ、貰っていくね」
黒服に命令し、ステラを連れて其奴は行こうとする。
待て………待ってくれ、駄目だ
俺の光だ、俺の命よりも大事なやつをそう簡単に取られてたまるか
エルヴィンとハンジの拘束を振りほどいて行こうとするとも、黒服たちは動こうとすると発砲してくる。
死に物狂いで追いかけようとする俺を死に物狂いで止めるこいつらに、怒りが止まることなく暴れたが、馬車は出てしまった。
瞬間、黒服達は銃を僅かに下げた為、その隙を着いて俺は周りの奴らを滅多打ちにした。
エルヴィンとハンジに止められるまで全ての感情をこいつらを殴ることで発散させた。
ふー、ふーっ、と息を荒らげながら周りを見ると、黒服は全員地面に伸びていて、隣で同じ様に息を荒らげて門を見つめるヴァニーユがいた。
「…………くっそ野郎……」
拳を握りしめ、エルヴィンの方に向き直る。