Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第28章 誘拐
「……っ!」
途端、後ろにいたステラが勢い良くその男に近づいてその男の腕を掴んで銃を地面に向けさせた。弾は地面に撃たれた。
「やめて!お願い……モレク、もうやめて……」
ステラは俺達が怒りに任せて近づくよりも早く銃を下に向けさせ、体術を仕掛けようと体を動かそうとしたが、瞬間其奴はステラの首に注射器で何かを打った。
「…ぁ……っ?」
がくん、と膝から力が抜けたステラをその男は捕まえた。
「…てめぇ!…何しやがった……ステラに触るんじゃねえ……」
ステラが俺らを庇って銃を下に向けさせるために自分に近づく、ということが最初から分かっていたようにその男は笑みを浮かべてステラを捕まえ、ナイフをその首に押し当てた。
「クソが……離せっつってんのが聞こえねえのか!」
ステラはがくがくと震えながら涙を堪え、必死に暴れている。其奴は俺が近づくとナイフをさらに押し付け、ステラの首から血が滴り落ちた。
ぶちっ、と自分の中で何かが切れた気がした。
この害虫を駆除しようと殴り掛かりに行った。
が、それは叶わず、エルヴィンとハンジに腕を掴まれて止められた。
「巫山っ戯んじゃねぇ!離せ!」
止められようが何しようがステラの元へ向かおうと暴れるが、エルヴィンとハンジは腕を離さない。
「待て、リヴァイ……今行ったらステラが傷つけられる、」
もう少しでこいつらの拘束がとける、という所でハンジが言った。はっとして周りを見た。隣では、同じ様に殺気を丸出しにしたヴァニーユがヘーゼルとノワールに止められている。