Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第28章 誘拐
俺は怪訝な声を出した。
エルヴィンは門へ向かい、幹部たちもそれに続いた。104期達は、なるべく姿が見られないようにしながら何とか門の方を見ようとした。
「……ステラさん、待って」
「ん?」
門が近づくと、人影が見えた。
ふとヴァニーユが声を強ばらせて言い、ステラの腕を掴んだ。ステラは首を傾げたが、ヴァニーユは依然として言った。
「もう私の足は大丈夫よヴァ二、」
「はい……いえしかし…嫌な予感がします、貴女は行かない方が……「ああ、ルージュ!」
はた、とステラの足が止まった。
急に歩みを止めたステラに、前を歩いていたエルヴィン達も止まった。
俺も止まり、ステラの方を見た。エルヴィンもハンジも見た。
ヴァニーユは殺気を丸出しにしていた為、エルヴィン達にどうしたものかと目線を向けられている。
ステラは震えていた。駆け寄ったが、その目はしっかりその男を見ていた。
「これはこれはお揃いで……お初にお目にかかります、モレクと申します。この度はそちらの女性を引取りに…「……て……」……ん?何ルージュ?」
「……かえ、……って……」
がたがたと震えながら言うステラに、俺はその男を睨みつけた。大体、こいつはルージュじゃない。引取りに来たって何だ、こいつはとうの昔から俺のものだ。
「……人違いじゃねえのか、此奴は…「いいや人違いな訳ないですよ?俺は婚約者ですから……」……あ゛ぁ?」
「………婚約者?」
エルヴィンが静かに聞き返した。