Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第28章 誘拐
訓練……というより談笑していると、兵舎の方からハンジとモブリットが出てきた___いや、ハンジが嬉嬉として来るのをモブリットが必死に止めようとしている。
「ハンジさん貴女まだ病み上がりなんですから!走らないでください!」
「お!エルヴィン達もいるねえ丁度いい!おーい!」
「あのクソメガネは騒いでねぇと気がすまねえのか?」
物凄い勢いで来るハンジに、思わず眉間に皺が寄った。
それがまだ休んでろよ、という遠回しの表現だと気付いたのはステラだけだろう、くすくすと小さく笑った為頬をつねっておいた。
「明日からだろう?早速実験を計画した………エレン……頼んだよ……?」
によによと笑いながら言うハンジに、エレンはもたつきながらもはい、と返事をした。
暫く各々話していた。こんなにも、壁外や巨人の事を考えずに談笑できるのはそう機会が無い。
ふと、1人の兵士の声がその空間を破った。
「団長!エルヴィン団長!」
門兵の1人が息を切らして焦ったように走ってきた。エルヴィンは直ぐ仕事の顔になった。
「何だ」
「はぁっ……は、……来客が……」
「来客だと?エルヴィン、このクソ忙しい時期に客を呼んだのか?」
「……いいや、呼ぶはずないだろう……すまないが追い返してくれ」
「いえ……、それが……勝手に敷居をまたいで来るのです……自分は貴族だ、と……止めましたが……」
「はあ?」