Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第3章 期待
思わず口が滑ってしまった、と俺は思った。
俺に感情ぶつければいいだ?……慌ててファーラン達のことを出したから、あまり気に止めてはないだろうが。危なかった。
「……そういや、足はどうだ」
「大丈夫よ。リヴァイの手当が上手かったから…」
あの時、怪我したのは太腿の為、長いワンピースを上げなくてはならなかったことは明白だが、今思うと服を上げろなんてよく言ったと思う。
あまりにも綺麗な足だったから一瞬見てしまったというのはファーランも達にも隠し通すことにした。
「ねえ、リヴァイは上に出たいと思う?」
暫く沈黙が続いた後、ステラは窓の外を見ながら静かに言った。
「あ?……いや、出たくないと言ったら嘘になるが…現実的じゃねえからな」
「…そう」
「お前は……地上で暮らしたいとは思うのか?」
当たり前だろう。彼女は元々地上の人間だ。
「うーん、……あんまり思わないかな」
思わずステラの方に顔を向けた。
「リヴァイ達といるの楽しいし。それに……リヴァイ、貴方がいると私、何故か安心するみたい」
笑顔で言ったステラを、思わず凝視してしまう。
心臓がうるさいくらいに鳴っている。
「あ……あっ、ごめん、何でもない……忘れて…」
急に自分の行ったことが恥ずかしくなったのか、少し赤くなって顔を伏せた。
「………ああ…」
そう返事をしたものの、到底忘れることなど出来そうになかった。
冷たかった水は、もうぬるくなっていた。