Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第26章 涙
「…ったく……それよりもっと大きく開いてたらどうするつもりだったんだ……」
「動かないであの二人に指示を出した。……リヴァイ、血は止まっている。傷も今は塞いである。大丈夫。だからお願い……そんな顔しないで……私は大丈夫」
「………」
あまりにも悲痛なリヴァイの顔に、ステラは堪えていたものが溢れそうになってしまった。
「普通……自分の怪我優先させて部下に仕事押し付けるぞ……」
「言ったでしょう、リヴァイ……私は普通じゃないのよ……他者を優先している時、痛みを忘れられる……それに、部屋までずっと私を抱き抱えたままの貴方も充分普通じゃないなぁ、リヴァイ?」
「いいや……お前に関しては別だ……」
他愛無い会話をするのは、此処がまだ兵舎内であるからだ。部屋についてから泣き言も後悔もする。まだ兵士である、部屋についてから一人の人間として行動出来る。
ステラの部屋についた。
ドアを開け、しっかりと鍵を閉めたリヴァイはソファーにステラを座らせ、足だから手は動かせると訴えるステラの反論を聞かず血のついた服を脱がせてからベッドに乗せた。