Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第26章 涙
ベッドにステラが座った瞬間、リヴァイはきつくステラを抱き締めた。
「はぁ……クソ………無事で良かった………」
「………」
その暖かい腕に包まれた瞬間、ステラは今まで分隊長として、上官として張り詰めていたものを切らし、リヴァイに縋り着いた。
「……ごめんなさい……エルヴィンの右腕を失わせてしまった……兵も多く死なせてしまった……」
「何言ってる……ここまで最短距離で帰還し迅速に行動出来たのは紛れもなくお前のおかげだ……エルヴィンは……あいつなら大丈夫だ……」
「っ………リヴァイ、離して……」
「あ?」
「……泣いてしまう…」
もう殆ど掠れた声で震えながらリヴァイの腕の中でステラが言った。リヴァイは腕を離さず、さらに強く抱き締めた。
「今此処には俺しかいねぇよステラ……」
「…っ……」
「お前の部下2人なら大丈夫だ、ヴァニーユもハンジも無事だ」
「………ん……」
「……ミケやナナバは…お前が背負い込みすぎると祟るかもな…」
「……もう、」
ステラはリヴァイに抱きついたまま、思わず笑みが零れ、涙が落ちた。リヴァイも微かに震えていた。自分の行動でここ迄心配と不安を掛けさせた事にステラは謝った。
「……無茶して……ごめんなさい…」
「ああ…」
「……リヴァイ」
「何だ…?」
「貴方も……私に、感情を…制御する必要ない……お願い、抱え込まないで……」
「泣きながら何言ってやがる……はっ……クソ……」
失った物は多くとも、ステラが無事であった事に、悲しみと喜びと混ざり合った涙を堪えていたリヴァイだったが、ステラの暖かい腕に包まれるとそれも堪えきれなかった。
そのまま倒れ込み、ベッドの中で抱き合いながら、涙を零し眠りについた。