Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第26章 涙
「医療班!団長と重体者を優先して手当し病院へ!」
「はい!」
「ノワール、下にいる兵に状況を軽く説明しておいで」
「はっ!」
壁上に上ってすぐステラは指揮をとった。自分の足の怪我は後回しで。
「ヘーゼル!駐屯兵のリコを捜して呼んでくるんだ。私の名を出せば直ぐに来る。キッツさんではなくリコだ、良いね?」
「はい!」
先程から自分の名を呼ぶ声が聞こえるが、無視して指揮を続ける。
「重症者を優先させて下ろす、軽症者及び動ける者は少しの間壁上で待っていろと指示を」
「はい!」
動ける兵に次々指示を出していくステラの周りには必然敵に次何をすればいいかと自ら集まる人で囲まれた。100人程で行ったのに、もうすでに40人程になっている。動けるのは半数ぐらいだろう。動ける者に動いてもらわなくてはならない。
「…さん!」
「ステラさん!」
「何!」
思わず大きな声を出してしまったステラが振り向くと、医療班の兵士が3、4人自分の周りに集まっていた。
「足を手当しなくてはなりません!」
悲痛に叫ぶ医療班に、ステラは訴えた。ただでさえ、医療班の人数は少ないのだ。
「エルヴィンのためなら私の足など何本でもあげる。団長を優先しなさい」
「ええ、ですが……」
「今この状況を動かせるのは私よ、私が止まっては今この状況全てが止まる!そして調査兵団には命の優先順位がある!エルヴィンを、重症者を優先しなさい!私の手当は私が下に降りた時よ」
止血はしてある、この血は今流れたものではなく先程ついたものだと訴えるステラに医療班は折れ、エルヴィンの元へ向かった。