Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第25章 奪還
途端、巨人に群がられてどうしようも無くなったのだろう、鎧が手を離した。エレンが見える、今なら……
「進め!!」
エルヴィンがそう叫び右手を上げた瞬間___
___時が止まったかのように思える、という表現はこういう時に使うのだろう。
巨人がエルヴィンの右腕を咥えた。
周囲が叫んでいる。私は……いいや、私もとっくに叫んでいた。自分からこんな咆哮が出ているのかと気づいた時にはエルヴィンの元へ向かっていた。
だが兵士がもたついた、このままではエルヴィンもエレンも失う事になる。
「進め!!エレンはすぐそこだ!!進め!!」
右腕が食いちぎられているのに彼は進めと兵を鼓舞する。
兵士達は皆歯を食いしばり、命をかけて巨人の群れへと突き進んで行った。
「…返せ」
私は今回はエルヴィンの命令を聞かなかった。彼の腕を食べていた巨人の項を深く削ぎ、急いでエルヴィンの元へ寄る。
「ステラ、行「嫌よ!!」
行くんだ、というエルヴィンの言葉を遮り早急に止血をする。
「いいやステラ、私の代わりは「エルヴィン!!」
私が止血の手を止めずに片手でエルヴィンの頬に触れて無理矢理目を合わせさせた。
「貴方をこんな所で死なせたりはしない!!私は我儘なエルヴィンの手にでも足にでもなると疾うの昔に誓っている!!罰なら後からいくらでも受ける、黙って止血されなさい!!」
こんなに怒鳴ってエルヴィンに命令したことなどかつてあっただろうか。今回が初めてだろう……
エルヴィンはこんな状況なのに、笑みを零した。