Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第25章 奪還
私はエルヴィンと共に遠方にいた巨人に態と気付かせ、そのまま元の道を戻り鎧へと向かった。
道中、ヘーゼルとノワールの率いる隊と混ざり、巨人の群れを鎧に引きつける形となった。
ふと、鎧の手に104期生が群がっているのを見た。騒音と巨人とで右も左も分からないような状況下で、届くかも分からないが叫んだ。
「……ハンネスさん!!」
はっきりと、誰が呼んだかも分からなかっただろうが、自身の名前の呼ばれた方向を見たハンネスさんは状況を理解し、104期に離れるように命じた……ように聞こえた。
充分に鎧に巨人を引き付けた後……エルヴィンが吠えた。
「総員散開!!巨人から距離を取れ!」
最早、何が起こっているか分かりはしなかった。
巨人と巨人を衝突させれば良いなどと頭で分かってはいても、実践など出来るはずもない。何処かで恐怖に耐えられない自分がいる。
それを消し去り、実現したエルヴィンに、尊敬を通り越して恐怖に似た感情を抱いた。
命からがら皆鎧から離れ、その‘地獄’を眺めた。
いいや、此処では終わらない。エルヴィン・スミスという男は、こんな地獄では終わらせない。
「総員突撃!!」
思わず鳥肌が立った。この男の頭の中はどうなっているんだろうか。常人離れなどという言葉では言いきれないだろう……恐怖からか、尊敬からか、いや……もう考えるのも無駄だ。私に出来ることは着いていく事のみ。
「人類存亡の命運は今!この瞬間に決定する!
エレンなくして人類がこの地上に生息できる将来など永遠に訪れない!
エレンを奪い返し即帰還するぞ!心臓を捧げよ!!」
私の次にミカサが飛び出した。ヘーゼルとノワールは私が動いたことにより私と同じく考える事を放棄したようだ、着いていく事のみに集中した。
皆、地獄の中で一筋の希望の光を奪還すべく命を捧げている。