Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第25章 奪還
ハンジさんは息を荒らげながらも、はっきりと力強く話した。
彼等の__ライナーとベルトルトの目的地をウォール・マリアの向こう側、そして体力が残っていないと仮定すると、巨人の手の届かない所で、更に巨人が動かなくなる夜まで休みたいのではと予想したのだ。
「夜までだ!夜までにこの森に着けばまだ間に合うかもしれない!!」
リフトを下ろし、本隊の調査兵、先遣隊の調査兵軽症者、駐屯兵の先遣隊、憲兵で未熟ながらも索敵をつくりローゼ外に出た。
憲兵を連れてきたのは……人手、とエルヴィンは言うが要は囮のようになってしまう。手練の調査兵とは違うのだ、巨人を見たことすら無いという人もいる。
1人も死なせたくない……いいや、そんな甘ったれた考えでは先へと進めない。次々に人が食われていくが、自分を叱咤してエルヴィンの後に続く。
「日没までだ……最短ルートを維持せよ!」
エルヴィンが叫ぶ。次々と人が食われていくがエルヴィンは歩みを止めない。それに皆着いていく。彼が人類の希望だと……少なくとも調査兵団は分かっているから。
「エルヴィン!囲まれている!」
赤の信煙弾が昇る中、私は叫んだ。迂回路があるが……きっとエルヴィンは選ばないだろう、
「迂回路があります!そちらに抜けますか!」
1人の兵士が叫んだ。だがエルヴィンは予想通り叫び返した。
「いいや……迂回しては手遅れだ…押し通る!総員!戦闘用意!」
迫る巨人を何体か削ぎながら、エレンを……巨大樹の森を目指した。