Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第25章 奪還
壁上を馬で駆け、兵士達が群がる場所まで着いた。
どうやら104期生は殆ど無事のようだ。
重傷者の中にいるハンジさんに駆け寄りそっと頬を撫でた。ふと、ざわっと胸騒ぎがして重傷者を見渡した。
「ステラさ……」
「……ヴァニーユ」
意識はあるが火傷の範囲が大きい。ヴァ二は口を開こうとした。謝ろうとしているのだ……そんな事させない。
頬にキスをし、頭を撫でた。
「君のおかげで先に進むことが出来る。…今はゆっくり休みなさい」
「……っはい」
悔しげに唇を噛んで頷いた。
ヘーゼルとノワールが私の後を追いかけてきて、ヴァ二を見ると固まった。
「……頼むぞ」
ヴァ二が二人に言った。ヘーゼルもノワールもどんっ、と敬礼をした。普段……ヴァ二にはタメでおちゃらけているのに、はい、と力強く言い、彼に託されたものをしっかりと受け取った。
「リフトを一部下ろしなさい。彼等を早急にトロスト区内の病院へ」
エルヴィンの元へ2人をを連れて行く途中、此処に残る医療班のトップに声をかけ、半数を重傷者の元に行かせた。
彼は頷いて敬礼をし、重傷者についた。
「ステラ、」
エルヴィンが何かを話そうとした時、小さく呻き声が聞こえた。振り向くとハンジさんが息を荒らげながら地図を、と言っていた。
「ハンジさん!」
エルヴィンも急いで駆け寄った。
「ここに……小規模だが巨大樹の森がある……そこを目指すべきだ」