Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第24章 決意
「我々は今人手不足です。この状態で向かえば間違いなく全滅でしょう。もしそれがお望みのままになるのであればそうします。……ただ、ローゼの穴は塞がれず、ローゼ内の巨人討伐も……今後シーナに巨人が出現した時も全て貴方々に委ねる事になりますが。
……今我々に手を貸すのと……見過ごして自らの家と家族……莫大な財産を失うのと……何方を選択すべきか貴方はもう分かっている筈ですけどね」
それだけ言うと、私はフードを被ってエルヴィンの後ろに隠れた。
エルヴィンは密かに私の頭を撫でた。
彼は弱い頭で考えていた……が、きっ、と唇を結んだまま頷き、憲兵を統率し始めた。
「良くやってくれた。助かった」
「……私がこう言うと分かっていて連れてきたのね」
「いや……流石に内容までは分からないさ。だが彼等の見過ごそうと思っていた事を突いてくれたからな」
「エルヴィンの最初の演説がなければ彼等の注意を引くことすら出来なかった。私はそれに少し手を加えただけ……それに、話を盛った所もある。必要以上に恐怖を与えすぎた……」
「その位が彼等には丁度いいだろう。全く……褒められ慣れていないとリヴァイが言っていたのはその通りのようだな……」
そう言うとエルヴィンはまた私の頭を撫でた。
リヴァイめ……エルヴィンに変な事言ったな……
ああ、暫くリヴァイに会っていない。日数ではなく……経験した事があまりにも多すぎて……
待て待て、その後会えるのだから。リヴァイは私を残して死ねない。私もリヴァイを残して死ぬ事は出来ない。大丈夫。今は任務に集中だ。
深呼吸してエルヴィンの後に続き、憲兵と共にトロスト区へ向かった。