Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第22章 制御
頭の中でアニとの会話が蘇る。
アニ!貴方の正体が巨人であるのなら、ああ言ったのは私を守るため?その為に言ったのか?そんなに優しい貴方なのに、何故……どんな大義で人を殺せた?
アルミンの話、私の経験……どう足掻こうと、彼女が巨人であるという事実の道は一直線にひかれている。だが彼女を疑いたくない_____いや、裏切られた事への怒りか?
私情は後だ。今は事実が大事である。
大きく息を吐き、声を発した。
「………そうでしょう。私もそう考える」
ハンジさんは私が急に話した事に驚いたようだったが、エルヴィンは真っ直ぐ私を見ていた。
「君の経験も含めてだな、ステラ?」
「はい」
暫く沈黙が続いた。エルヴィンは考え、アルミンとミカサの気遣わしげな視線が刺さった。
「……どれも確かな証拠ではないが、状況証拠は揃った。作戦を立てる。アルミン、ミカサ、同席してくれるか?」
珍しい、と思った。アルミンもミカサも驚いていたが、はいと力強く言った。
「すまないが、決行はエレン引渡しである2日後だ。休んでいる暇は無い」
「アルミン、アニ・レオンハートはどこの所属?」
「憲兵団です、ハンジ分隊長」
「……引渡しの前にエレンを隠すのはやめた方が良い」
「何故だステラ」
「ミケさん、私達はもう充分に信用を失っているけれど、招集にも応じないとなるとエレン引渡しでは済まなくなり、別の問題も出てきてしまう。あくまで従順に行かないといけない」
「……そうですね、ステラさん。それなら……無茶かもしれませんが……」
「いいよアルミン、続けて」
「……憲兵はその日、我々を護送しますよね。ストヘス区で、アニとエレンと私達2人が合流し………アニにエレンの逃亡を手伝ってくれと騙して地下に誘き寄せ、捕獲する」