Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第22章 制御
エルヴィンとリヴァイが戻ってきた瞬間、リヴァイは私を見つけて抱きしめた。
リヴァイはエレンを守る役目があったからどうしたものかと彼を見た。
「お前が抱きしめてくれっつう顔してたからな。あと俺が抱きしめたかっただけだ」
ただそれだけなのに、私は‘いつも通り’になることが出来た。リヴァイは私の頭をぽん、と撫でてからエレンの元へ行った。
「え、リヴァイはステラを抱きしめるためだけに来たの?そんなの私がいくらでもするのに」
「ありがとう、ハンジさん」
ハンジさん達のおかげで精神を奮い立たせる事が出来た。もうあんな情けない姿は見せない。
「エレンと我々主要幹部の王都召喚が決定した」
私の様子を見てから(そう思いたかっただけかもしれないが、だとしたらあんなに私の方を見つめるだろうか)エルヴィンが静かに話した。
「何か策はあるのかエルヴィン」
ミケさんが下を向きながら言った。
「……敵を見つけ出すにも…一人一人拷問するかい?」
ハンジさんが力なく笑いながら言った。
エルヴィンは手を組んで黙ったままだ。私は沈黙を破って話した。
「エルヴィン、敵は104期の中にいると?」
「ああ、そう考えている。だが本人が‘私は巨人です’などとは言わないだろう?」
「…………もう、いっその事王都を襲撃する」
私が発した言葉に、緊張した空気の中でも力無い笑いが零れた。
「この腐った世界の根幹を……エレンの重要性も分からないような奴らを正して……私達は犯罪者となり、壁内で逃げ続ける。………なんて現実的じゃないんだろう」
驚いた事に、エルヴィンも思わずと言ったように笑った。人は考えすぎると笑ってしまうようだ。
「……実際、そうなってもおかしく無い程に我々は窮地に立たされている」