Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第3章 期待
夜、ファーランもイザベルも眠りについてから、俺は密かにキッチンへと向かった。
ステラが傷つきそうになった時に、目の前が真っ暗になりそうな恐怖を覚えた。あいつを失う事に、ここまで恐怖を覚えるのかと驚く程に。
本来であれば、その恐怖やあいつを傷つけようとした奴に対する怒りで満たされる筈だが_____
____あの時、あんな狭い場所で抱き合ってしまった時のステラを忘れることが出来ない。
怒りが消える訳では無いが、その光景が頭の中にくっきりと残っている。
火照ったあいつの顔、耳元にかかる息、服から見え隠れしていた鎖骨……
(……っクソ、)
分かっている。こんな事が正しくない事くらい。
そうは思っていても、熱は引かない。
普段だったら、生理現象であるからその辺で女を捕まえている。
だが、今はそんな事考えただけでも身の毛がよだつ。
ファーランもイザベルも、___ステラも、今はぐっすりと眠っている。
落ち着こうと水を飲みに来ただけだったが、どうにも止められずに、ドアに持たれかかって熱を出した。
女なんて、今までも嫌という程見てきたじゃないか。
それなのに、何故熱が引かない?
リヴァイ、と彼女が俺の名を呼ぶ声が脳内で木霊する。
自身を扱く手は止まらなかった。
「……っクソ、ステラ…」
「……リヴァイ?」
はた、と手が止まった。
ドアの向こうに、ステラがいる。