Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第21章 女型捕獲Ⅰ
「……来る」
森の入口あたりに入った頃だろう、痛いほどの嫌な視線だ。きっと標的の巨人だろう……
ばっ!と手を上げてエルヴィンに知らせた。エルヴィンはそれを見て手を上げ、攻撃準備を急がせ、体勢を整えさせた。
途端、キイィィィィィィィィン、とリヴァイが打ったであろう音響弾が鳴り響いた。
エルヴィンは手を上げた。
緊張が張り詰める中、ドォッと大きな音がしたかと思うと、一瞬でエレンに手を伸ばす巨人が現れた。
「撃て!」
エルヴィンが叫び手を振り下ろすと同時に、その巨人___女型の巨人の関節が固定された。
「さーて、中身は誰かな」
ハンジさんが遠くでそう言うのを聞いた。
固定が終わると、リヴァイとミケさんが項を削ごうと動いた。
しかし、あれは___鎧と似通っている、硬質な皮膚で覆われていて、2人の刃が届くことは無かった。
(発破で手を吹き飛ばすしかないか…)
私はまたばっと手を上げた。それを見たエルヴィンが部下を呼び、発破の用意を命じた。
リヴァイが女型の頭に立って話している。
よし、発破が整いそうだ____そう思った瞬間、女型が大声で奇声を上げた。
(何…?…っ、全方位から巨人…!)
途端に、全方向から耐えられない程の視線を感じた。ミケさんも気づいたらしく、エルヴィンの元へと向かった。
「ヴァ二!私の班を呼べ!」
「はい!」
__「荷馬車護衛班迎え撃て!」
東から来る巨人を仕留めるべくエルヴィンが命じた___が、巨人は彼らを無視して突き進んだ。
「ステラさん!」「全員戦闘開始!」
ヴァ二が私の班を引き連れて戻ってきたのと、エルヴィンがそう命じたのが同時だった。