Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第20章 ✵誤解
「はい。上官にこんな自分の願いを聞いてもらう事は烏滸がましいですが……上官としてではなく、ステラさんにお願いします」
「うん」
今度ははっきりと言うことが出来た。ペトラは強く抱きついた。
「私の願いは、貴女と兵長が幸せになることです。どうか、聞いてくれますか?」
「うん、……うん。勿論」
涙は出なかったが、やけに目が潤った気がした。笑顔でペトラを抱き返した。
「明日もよろしくお願いします、ステラさん」
「うん、最善を尽くそう」
「はいっ!」
暫く抱き合っていたが、ヴァ二の視線を感じたため、そろそろ明日の準備をするべきだと理解した。
ペトラはどんっ、と敬礼し、笑顔で戻って行った。
「……大丈夫でした?」
話の内容は聞いていなかったのだろう、ヴァ二が不安げに聞いた。
「うん。大丈夫。寧ろ……凄く大丈夫」
「はは、…何ですか、凄く大丈夫って…」
ははは、と笑うヴァ二に、つられて笑いが出た。
風が優しく頬を撫でていた。