Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第20章 ✵誤解
「……うん」
掠れた声が出てしまった。分かっていたことだが、実際聞くとこんなにも苦しいのか。
「今でもお慕い申し上げています。……ですが、私は……ステラさん、貴女の事も尊敬していますし、大好きなんです」
「……え、」
「私が初遠征の時…助けてくださいましたよね。遠方にいたはずなのに、私を捕まえた巨人を討伐して……助けて下さった後も、私を鼓舞して壁外調査で生き残らさせて下さいました。……その時から、私は少しずつ前を向いて巨人に立ち向かう事ができるようになったんです」
「………」
風が頬を撫でる中、私はペトラを見つめていた。
「私は兵長が好きでした。ですからよく見ていました……兵長は、貴女を見ている時が1番幸せそうな顔をするんです」
「ペトラ、」
「お二人は……お付き合いをなさっているんですね?」
「………うん」
ここで否定してしまうのも野暮だと思い、素直に答えたが、未だ声は掠れていた。ペトラは笑顔で言った。
「ステラさん。私が大好きな人は、私の大好きな人を愛している。……これ以上、幸せな事は無いです」
「ペトラ、」
再び名を呼んだ。すると、ペトラは思い切り私に抱きついた。思わず抱き返した。
自然と涙が出そうになったが、堪えた。後輩にみっともない姿は見せられない。
「ねえ、ステラさん。私の願い、聞いてくれますか?」
「願い?」
ペトラが抱きついたまま言った。