Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第3章 期待
だが途端、嫌な気配を感じた。
「…!チッ、ステラ!」
「ん…?」
どうやらその気配に彼女も気付いたようだったが、反応が遅れた。ステラの方にナイフらしきものが飛んだのを見た。
「ステラ!クソッ、」
立体機動を着けたまま人と距離を詰めるのは危険だが、今はそんな事気にしている暇は無い。
反動をつけて速さを増してステラの方へ向かった。ステラの頭と腰に手を回し、その速さのまま、彼女を抱えて裏路地の方へと半ば無理矢理体を押し付けるような形で隠れさせた。
「はぁ、クソ野郎…」
「……リヴァイ、」
「悪い……もう少し早くに気付くべきだった。怪我してねぇか?」
「ううん、その……」
「何だ」
何だ、と言ってステラの方に目をやると____いや、正確には俺の腕の中にいるステラに、だ。
先程抱えてここまで連れてきた為彼女をしっかりと抱きしめてしまっていたし、何より壁と壁の隙間に隠れている為、密着してしまっていた。
「っ……悪い」
「ん…」
狭いため動くことも出来ず、何より先程こいつを狙った奴がもう居ないとも限らない為に長くこの状態でいなくてはならなくなった。
(馬鹿か俺は……)
こんなの、生殺しだ。
「ごめん、リヴァイ……」
「あ?」
か細い声でステラが言った。
「いや……俺がお前を連れてきたんだ。だが……分かったろ、お前には危険だ」
「…ん………」
小さくうん、と言ってステラは俺の腕の中で縮こまった。