Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第20章 ✵誤解
「おいステラ…………いい加減吐きやがれ……何故避ける」
仕事を終え、窓からこいつが帰ってくるのを見ていたが、帰ってきた途端エルヴィンの部屋に行った挙句、笑顔で出てきた。
そして隣の自分の部屋に入る前、ドアノブを握ったまま百面相して一向に入ろうとしないこいつを見て、ほんとにこいつは見てて飽きないな、と思いながらも、色々と限界だった俺は自分の部屋に引きずって来た。
壁に手を握ったまま押し付けられているステラは、驚いた顔をしてこっちを見たが、すぐに目を逸らした。
「………旧調査兵団本部にいるかと、」
久々に聞いたこいつの声は、少し不機嫌だった。
「ああ。そのつもりだったが、お前が余りにも避けやがるから問い詰めに来たって訳だ」
「…避けてない」
「………本当にそうか?お前がやっと俺の所に会いに来たと思ったら俺が呼び止めるのもお構い無しに何故か直ぐに逃げやがるし、その後見かけてもヴァニーユやエルヴィンの傍に隠れて逃げるだけで一向に俺と目を合わせようとしない。…それに、今日は野郎共と街に行ったそうじゃねぇか……なあ、ステラ?」
未だに顔を下に向けて目を合わせようとしないステラの手を離す事無く俺は言いきった。
「……………だって」
「あ?」
小さな声でステラが言った。
「…だって、………ペトラ……」
「ペトラ?ペトラがどうした」
そういや、こいつが避けるようになった日、ハンジのやつがペトラと居ることに嫉妬してる、誤解をとくことだね、と言っていた気がする。
「おい、ペトラはただの部下だぞ」
「…手、繋いでた」
目を合わせようとしないこいつはまた小さな声で言った。