Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第20章 ✵誤解
兵舎についたのは日が暮れそうな時だった為、エルヴィンの部屋に行って遅れたことを詫びた。
「いや、まだ‘明るい’からな。……楽しめたか?」
一瞬、モレクのことを言いそうになったが、ぐっと堪えて心の奥底にしまい込み、鍵をかけた。エルヴィンに悟られたら、絶対に逃れられない。何としても彼等には伝えたくない。
「うん、とっても。……エレンも今日1日、とても楽しそうでした」
「次は是非俺も行きたいものだな」
「ふふ、是非。………楽しみにしている」
エルヴィンの部屋を後にし、手に紅茶を抱えたまま、明日どうリヴァイに会いにいくか考えた。
実際、数日前にペトラと2人で手を繋いでいるのを見た時、彼が呼び止める声も聞かずに逃げ出してしまった。
それなのに会いに行くなんて、烏滸がましいだろうか。
パターン1、紅茶買ってきたの!と普通に言う……ダメだ。逃げた手前言えない。
パターン2、部下に渡してもらう。いやいや、任務に私情を挟むべきじゃない。
パターン3、彼らが外出するのを見計らってそっと置いていく。……うん、これが妥当かもしれない。
リヴァイに会いたいし、本音を言うならば、今すぐ強く抱き締めて、心の奥底でざわめいているモレクの事を沈めて欲しいし、今すぐに激しく抱いて欲しい。
が、逃げ出してしまったから……やはり会いにくいなと思ってしまう。
リヴァイはどう思っているのだろう、よし、やっぱり明日はパターン3で行こう。
そう思った時、いきなり腕を掴まれて、どこかに連れていかれた。そして、その腕を掴んでいる人の部屋に着くと、その人は凄い勢いでドアを開け、私を壁に押付けた。