Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第19章 恐怖
それから毎年街に行くと彼がいて、両親から遠ざけようとして、もうやめて、ついてこないでと両親にばれぬように訴えたが、それも虚しく、無理矢理口付けをされて両親から離されようとされる。
遂には、リヴァイ達と会う1年前、彼が私を捕まえる所を両親に見つかった。
両親の怒りは凄まじく、あの花のように儚い母様が、怒りに震えて彼を怒鳴りつけたのは今でも鮮明に思い出せる。
その一年後、両親が殺された。
そこにいた兵士達の口から出てきたのは、「モレク様の趣味を疑うね、」「まさかここの子供を妻にしたいという理由で両親を殺すように兵を使うなんてな」という言葉だった。
父様はこの世の真実を知り、邪魔者として追われていた。
だがそれはきっかけに過ぎず、モレクが‘私を妻にするために’邪魔である両親を殺すよう、兵を向けた。
_____怖い、
恐怖と、そんな人をどうして好きになれるだろうか、という絶望が渦巻いていた。
両親は普段から、人を憎んだり、蔑む者は自分の魂も傷つけることになる、と教え、優しさや愛を注いでくれていた。
それでも、父様がもし自分が殺されても、その殺した相手を憎んでは負の連鎖だからいけないよ、と教えたとしても、両親を殺した人を憎まずにいられるだろうか。
何より、自分が最初からついて行っていれば、両親は殺されなかったのではないか、と自分の愚かさを呪った。