Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第19章 恐怖
紅茶とティーカップを持って、満足して店を出た。
リヴァイに、と思ったら自然と体が動いて買ってしまっていた。どう渡そうか、そう考えていた時、人混みに呑まれて皆とはぐれてしまった。
どんっ、と体がぶつかったのを感じた。
「っ…すみません、」
「いいえ、こちらこそ………っ!ルージュ!」
_____え?
ぶつかってきた人は、この辺では見かけないような上等な服を着て、私の肩を掴み、ルージュ、と呼びかけた。
何故その名で呼ぶ?……その名を知っているのは____いや、その名で私が‘呼ぶように言った’のは、一人しかいない。
自然と体が震えた。
ひゅっ、と喉が鳴った。
足の力が抜けて、歯もカチカチと音を立てた。
「………モ……レク……」
口から乾いた声が出るのを聞いた。
「……久しぶりだね?」
口角を上げながら、彼は____モレクは、私の目の前に顔を寄せた。
はぁっ、はぁ、と自分の口から息が出ていた。
左足の撃たれた傷が、疼くような気がした。