Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第19章 恐怖
「えっ」
「そんな烏滸がましい事!俺はあの人の部下だ、……あの人を美しいと思わなかったことは無いが、……そんな感情を抱く前に尊敬しているからな、俺は」
えええ、とコニーとサシャとジャンが言った。ヴァニーユさんだという可能性も拭えなかったのに、そしたらやっぱり団長?それとも兵士長?いや、ここは裏をかいて俺たちが全く知らない人か?、と議論が始まった。
そんな中、俺はアルミンがずっと会話に参加していないことに気付いた。
「おいアルミン!お前はどう思う?」
俺がどうしたんだよ、と聴く前にコニーが話を振った。
「……僕は、ヴァニーユさんが言ったように……到底敵わない相手だと思うよ」
何だそれ!と笑うコニーたちを横目に、まさかアルミンは相手を知っているんじゃないか、と思ってしまった。
どうやらヴァニーユさんは、コニー達の明るい性格に引っ張られたのか、(だからきっと俺が聞いていたら駄目だったかもしれない)少しづつだがステラさんの魅力を語り始めた。
俺たちはそれに同調していた。
「ヴァ二~」
「あ、お帰りなさいステラさん。悪いな、ミカサ」
ミカサは首を振った。
「ごめんね、ちょっと気になった店があって2人で見てきちゃった」
「ああ、そうでしたか……」
思えば、トイレに行くだけでは長すぎる時間だった為、ヴァニーユさんが安心したのも分かった。
「それでね、もう1つ行きたいところがあったんだ…ね!ミカサ?」
「はい」
「エルヴィンには日が沈む前に帰ってこいって言われてるから急がないとだけど…いい?ヴァ二」
「ええ勿論…それなら、貴方が見ている間に馬車捕まえときますよ、俺」