Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第19章 恐怖
「俺はヴァニーユだ、エレン……それはあだ名だ。その呼び方で呼んでいいのはあの人だけだ。あの人がそう名付けてくれた」
目を閉じながらヴァニーユ……さんは言った。
皆、この人がステラさんの事になると大人気なくなるのだと悟った。
「……はい、ヴァニーユさん…ステラさんの事なんですが」
ヴァニーユさんは紅茶を啜りながら片目を開けた。
「あの人は、……その、「恋仲の人はいるんですか?」
俺が質問するのをコニーが遮った。
いつものおちゃらけた様子でにやにやと聞くコニーを見たヴァニーユさんは、紅茶を置いて手を組んだ。
「……予想は?」
「俺達の予想では、団長か兵士長かと!」
「ええ、あんな高嶺の花のような人には団長や兵士長がお似合いですからね!」
そうか、と笑いながらヴァニーユさんは言った。
「それで、答えは!」
今やジャンも加わり、アルミンを除いた4人でヴァニーユさんに詰め寄っていた。アルミンは何故か苦笑していた。
「いや、言わないでおこう…あの人のプライバシーに関わる。だが、」
えー、と落胆する俺達を前に、ヴァニーユさんは言った。
「……相手は相当力が強い。君達じゃあ到底適わないだろう……それに、ステラさん達はお互いベタ惚れだ。……お互いに独占欲も強い」
うおおお、とコニーとサシャが言った。
「……ヴァニーユさんじゃないんですか?」
ジャンが静かに聞いた。サシャもコニーも黙った。
確かに、この人は顔立ちもよく、ステラさんを気にかけている1番の人物だろうから、もしかしたら……
「いいやまさか!」