Madly in Love 【リヴァイ】【進撃の巨人】
第3章 期待
「飛び回るだけで終いだ。長居はしねぇぞ」
「うん!」
全く、外に出していないというのもあるが、少しだけ出れると言うだけでこんなにも嬉しそうな顔をするのかこいつは。
13歳とは思えないほどの美貌だが、こういった無邪気な笑顔を見るとやはりまだ子供であると思ってしまう。
そんな彼女が、両親を亡くして自身も追われているのに、そうやすやすと人を傷つけるような仕事をさせる事は疎か、外に出すことさえも躊躇ってしまうのは当たり前だろう。
「ねえリヴァイ、飛んでいい?」
もう既に跳びそうな体制でステラは言った。
「待て、おい待て、お前飛び方知らねえだろう」
「………知ってる」
「はぁ……ステラ、次はもっとばれねぇように嘘つくんだな」
また頬を膨らませるステラに、何とか立体機動を教える。
だが直ぐに出来るようになる筈もないだろうと外に出すだけで終わりにしようとしていたが、その考えも破られあっという間に出来るようになってしまった。
「おい待てステラ、余り離れるな」
びゅんびゅんと飛び回るステラに、何度待てと言っただろうか。俺よりは劣るものの速い。